第3回インコントロ 講演会・昼食会 ~イタリアのデザイン イタリアの暮らし~

日時:2016年10月5日(水) 開場11:00 開演11:30 終了14:00

会場:中之島フェスティバルタワー37階「フェスティバルスイート」

講演:喜多 俊之(きた としゆき)さん
[プロダクトデザイナー]

主催:大阪日伊協会

協賛:サントリーホールディングス(株)

 

大阪日伊協会創立60周年「第3回インコントロ講演会・昼食会」が10月5日、世界的工業デザイナー喜多俊之さんをお迎えし、大阪・中之島フェスティバルタワーで開かれました。
タイトルは「イタリアのデザイン イタリアの暮らし」。
1969年に単身イタリアに渡り、辞書を片手に奮闘しながら「世界のKita」として名声を得るまでの仕事ぶりについて語ってくれました。聴衆は約60人。

講演会の後は、イタリア総領事のマルコ・ロンバルディさんが流暢な日本語であいさつし、乾杯の音頭でグラスを傾け、歓談しました。
最後は朝日新聞社大阪代表の後藤尚雄・大阪日伊協会会長が閉会のあいさつに立ち、喜多さんへの感謝と、8月にイタリア中部で起きた大地震の義援金募集を呼びかけました。

当日会場では、義援金箱を設置し、来場者の皆様より多くの温かい志を頂戴いたしました。

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講演に先立ち

8月24日未明、イタリア中部、ローマの東方の山岳地帯が大地震に襲われました。
とりわけ人口2,500人のアマトリーチェという村は壊滅的な被害を受け、犠牲者は約300人と報じられています。
亡くなられた皆様のご冥福をお祈りしたいと思います。

そして、大阪日伊協会としては被災者の皆様の支援のために義援金を募ることにしました。
すでにホームページなどでご案内しておりますが、この会場にも義援金箱を置いています。

皆様の温かい志を頂戴できれば幸いです。

さて、本日は世界的プロダクトデザイナーの喜多俊之さんをお招きし「イタリアのデザイン イタリアの暮らし」と題し、ご講演いただきます。
喜多さんと言えば、イタリア、ミラノのカッシーナ社の「ウインクチェア」など数多くの世界的な作品を生み出しているデザイナーであります。
タイ、シンガポール、中国ではデザイン活性化のための政府顧問もつとめました。

その喜多さんですが、1969年に単身でミラノに渡り、最初は辞書を片手にイタリア語の壁と闘ったのが原点だそうです。
2011年にはイタリアのデザイン界で権威ある「黄金コンパス賞」の国際功労賞を日本人として初めて受賞しました。
そして今年はその審査員をつとめております。

イタリアと日本、両国のDNAを受け継ぎながら、デザインの素晴らしさを広く世界に伝え続けているのが喜多さんです。

今年は日伊国交樹立150周年、そして大阪市とミラノ市が姉妹都市提携を結んで35周年、大阪日伊協会が創立60周年を迎えました。
この三つの周年をお祝いするには、この人をおいて他にないと考えて講師に選ばせていただいたのが喜多俊之さんです。

喜多俊之さんのご講演に触れ

喜多俊之さんの講演からの名言

「デザインはハッピー産業。みんなが笑顔になれるんです」

67年、世界的な家具ブランド、イタリア・カッシーナ(cassina)社の創業者、チェザーレ・カッシーナさんが大阪万博の工事会場を訪れたとき、同行する。この出会いがデザイナーとしての転機となる。69年、喜多さんは単身、ミラノにわたり、再会したチェザーレさんは言う。「10年たったら私たちと仕事をしよう」。

その言葉通り、80年9月、カッシーナ社からウインクチェアを発表、世界的ヒット商品になる。81年にはニューヨーク近代美術館のコレクションにウインクチェア=写真上=が選ばれた。

90年、モローゾ社から、「サルヤマ」=写真右=を発表。大分県の高崎山の猿山から発想したデザインで、ウインクチェアと並ぶヒット商品となった。
2004年、05年、06年には日本グッドデザイン賞の審査委員長を務める。04年、大阪芸大の教授に就任。11年には、イタリアデザイン界の権威ある黄金コンパス賞(国際功労賞)を日本人で初めて受賞し、16年にはその審査員にも選ばれた。シャープの液晶テレビ、初期のアクオスのデザインでも知られる。
暮らしのリノベーション活動に力を入れる昨今は、「LIVING & DESIGN」と題した大規模な展示会をプロデュースしている。 (大阪日伊協会事務局長 中村 正憲)

イタリアのデザインについて語る喜多俊之さん

イタリアの写真を見せながら話す喜多さん

ミラノのカッシーナ社のショーウインドウには喜多さん制作のウインクチェアが飾ってあった=2016年9月18日、ミラノ・ドゥリニ通り

事務局からのお知らせ

●次回、第4回インコントロについて
次回の第4回インコントロは12月8日夜に開催します。
マリンバ・サヌカイト奏者の小松玲子さんをお迎えし、クリスマスを前にイタリア映画音楽特集をお送りします。
会場は、音楽会を12階の「アサコムホール」で開き、場所を移動して、夕食会を37階で開きます。
サヌカイトという石で作られた楽器は、国内に数えるほどしかなく、その希少で神秘的な音色をご堪能いただけると思います。
●当協会の顧問交代について
7月28日付で、近畿経済産業局長の関総一郎様から後任の池森啓雄様に、9月23日付で、外務省特命全権大使(関西担当)の三輪昭様から後任の鈴木庸一様にそれぞれ交代となりました。
●第5回インコントロの開催日程変更
森下仁丹社長の駒村純一さんをお迎えして開催する第5回インコントロの日程が3月1日から3月15日に変更となります。

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